みぃを傷つけたい訳じゃない。

「噛んじゃだめ。痛いのはみぃだよ」

俺の言葉を聞いて、ポロポロと涙を流し始めたみぃ。



「早く復帰して……子ども達の、グス……笑顔見たかったの」

「みぃの気持ちは分かるけどさ……」

「葵には分かんないよ。グス……絶対分かんないっ‼」

スクッと立ち上がると、みぃは診察室を飛び出した。

「あ、みぃっ‼ 待って‼ 走っちゃダメだったらっ‼」

慌てて追いかけるけど、診察室から泣きながら出てきたみぃに驚いてる人達の視線が痛い。

今の状態でみぃを一人にするのも怖いな……


pipipipi ……

暫くみぃを探していたら電話が鳴った。

❲もしもし❳
❲大和だけど❳
❲大和さん?❳
予想外の人に驚く。

❲みぃちゃんと、喧嘩でもした?❳
❲え?あぁ……ちょっと意見の食い違いで……❳
❲うん。今俺のところに居るから❳
❲え?❳
❲走って帰りそうなところ捕まえたの❳
❲良かった……病院内で……❳
❲葵も気持ち落ち着かせてから来て。俺はみぃちゃんの話聞いとくから❳
❲……ありがとうございます❳

みぃの体の事考えて、話をしてたけど、気持ちの事は考えてなかったかも……。

少しだけ、大和さんに甘えて時間をもらおう。