「ハハハ。俺はまだまだだよ。研修医だし、まだまだ修行が必要」

葵は、ほっぺたをポリポリ掻きながら笑った。

あ……照れてる。

立場は変わっても、葵が変わる訳じゃないんだよね……

何だか安心しちゃった。


「眠れそうなら眠っていいよ」

その言葉を聞いて、すぐに眠ってしまった。



次に目を覚ますと、かな兄がいた。

「かな、にぃ……」

「みぃ、目が覚めた?少し体起こすね」

私の体をゆっくり起こしてくれたかな兄。

「気分悪くない?」

「うん、大丈夫。かな兄、ここに居ていいの?あっくんや彩さん大丈夫?」

「彩も新も俺がみぃの側にいて、みぃの様子を教えて欲しいってさ。二人ともみぃが元気になるの待ってるよ」

早く元気になりたいな……


「みぃの熱がちゃんと下がったら、新もお見舞いに行きたいって言ってるから、連れてくるよ」

「ほんと?あっくんに会えるなら頑張って治さなくちゃ」

「新も喜ぶよ」

そう言ったかな兄は、すっかりパパの顔つきだった。