だけど結局、なかなか熱は下がらなくて、二週間高熱がで続けたらしい。

前半の一週間は体の痛みと怠さと高熱で、あまり覚えてない。

気づいた時には酸素マスクをつけられて、点滴に繋がれて、身体中を冷やされていた。

体は怠くて動かないので、目だけを動かしてみると、葵が居てくれた。

「……あ、おい」

「みぃっ‼ 気がついた?熱が高くてずっと意識朦朧としてたんだよ。どう?どこが辛い?」

いつもより早口な葵を見て、心配掛けちゃってたことを実感した。

「……ごめん、ね」 

「謝ることないよ。みぃが良くなることが大事だから」

いつもの葵に戻って頭を撫でてくれた。

「みぃ、暑い?寒い?」

「あつ、い」

「上がりきったかな……。このまま冷やしておくね。熱計るね」

葵は、私に話しかけながらテキパキと動き出す。

…………葵もお医者さんになったんだなー   

身体は辛いのに、葵の成長が見れてどこか嬉しかった。

「聴診するよ?」

「うん。……葵?」

「今は喋っちゃダメ」

真剣な顔でそう言われた。
 
聴診を暫く続けた葵は私を見てにっこり笑った。

「終わったよ。どうした?」

「ん、葵もお医者さんだなーって思ってたの」