病室のドアをの前に行くと、二人の会話が聞こえてきた。

「みぃ、解熱剤入れていいって」

「ケホ、ケホ……葵が、してくれるの?」

「うん、司さんから許可もらったから」

「……いたい?」

「痛くない様にするから」

「葵に、ケホ、してもらうの、初めてだね」

「いつみぃにしてもいいように、いっぱい練習したよ」

「ふふ。ケホ、なら、安心だね」

ドアを挟んだ向こう側の事だけど、二人の様子が分かる。

「消毒するよ」

「見てたら痛いと思うけど…」

「でも、葵がしてくれるケホ、初めてだから…ケホケホ、見てたい」

「痛くない様に頑張るね。みぃの咳も出てきてるし早く済ませよう」




少し間が開いたので、多分注射してるんだろう…

「終わったよ」

「……いたく、なかった」

「それは良かった。はぁ、緊張した」

「緊張、ケホ、してたの?」

「そりゃ、あんなにじっと見られたら緊張するよ」

「ふふ。…ケホ、これからも、ケホケホ、お願いね」

「もちろん」


治療中でも何故か甘い雰囲気になるのは、この二人だからだろうな…