「前園さん、湯たんぽ交換してあげて。それから病室の温度少し上げよう。まだ寒いみたいだから」

「わかりました」

前園さんはすぐに病室を出て、準備してくれた。



コンコンコン

少しすると病室にノック音が聞こえた。

「どうぞ」

「みぃ、どうですか?」

葵が仕事を終えてやってきた。

「扁桃腺が腫れてて、熱も高いんだ。今解熱剤いれたところ。喉も頭も痛いって泣いちゃって」

「みぃが?」

「そう、みぃが痛くて泣くなんて珍しいだろ?だから少しでも和らげてあげたくて」

「ありがとうございます。俺、今日ここに泊まります」

「葵がいてくれたらみぃも心強いんじゃないかな。だけど、葵も無理するなよ!」

「分かってます。みぃに心配かけちゃうし無理はしません」

葵は苦笑い。

「俺今日は当直だから、何かあったら直接連絡して」

「わかりました」



それから、朝方に一度葵から連絡が入った。

〔みぃの体温また上がってきたので、解熱剤入れていいですか?〕
〔葵出来る?〕
〔はい、やります〕
〔さっきと同じ量でいいから〕
〔了解です〕

葵も頼もしい存在になってきたな。

だけど、一応自分の目で見ておきたいから、薄暗い廊下を歩きながら病室へ向かう。