「みぃ、今は辛いけどしっかり治そうな」

目を潤ませながら、俺をじっと見つめるみぃ。

「辛くなったらいつでも、ナースコールしていいからな。少しでもおかしいと思ったら必ず押すこと。約束ね」

小さくうなずいたみぃは今にも目を閉じそうだった。

「眠っていいよ」

俺の言葉に安心したのか、すぐに眠ってしまったみぃ。


「前園さん、悪いけど気にして見に来てあげて欲しい。きっとまた熱も上がってくるだろうし…」

「分かりました。熱が高いのは可哀想ですよね…」

みぃの周りには心配してくれる人が沢山いるんだよ。

「何かあれば、俺に直接繋いで」

「分かりました」



俺の院内用PHSに連絡が入ったのはその日の夜だった。

[みぃちゃん、熱上がってきてます]

その連絡を受けて病室へ駆けつけると、昼間と同じように体をガタガタ震わせたみぃがいた。

「解熱剤効き始めて少し下がってみぃちゃんもラクそうにしてたんですけど、また徐々に上がってきてるみたいで……」

「体温は?」

「39.6です」

「解熱剤が切れたんだな……」

「つ、くん…」

「みぃ…どこがしんどいか言える?」

「のどと…あたま痛い…ケホ…さむい」

「喉は、扁桃腺が腫れてるからね。頭痛はこれだけ熱が高いから痛くなるよな…」

「……いたい」

そう言いながら涙を流し始めたみぃ。

よっぽどだろう。

「もう一度解熱剤入れるね。これで少しはマシになると思うから」

そう言って、解熱剤の注射をした。