ピピ、ピピ、ピピ

体温計を見て、由奈さんは真剣な表情に変わった。

「みぃちゃん、熱が上がってるわ。山内先生呼んでくるから意識飛ばしちゃダメよ」

由奈さんは慌てて病室を出ていった。

とりあえず、寒いので持ってきてくれた毛布にくるまる。 

だけど、寒さが和らぐ訳でもなく、どんどん寒さは増して、ガタガタと体が震え始めて、自分ではどうしようも出来ない震えに驚く。

「……どう、しよ……」

なんだか1人でいることが不安になってきた。

ふと、由奈さんが置いていった体温計を目にすると


39.6


そりゃ由奈さんも驚くか……



それからすぐに由奈さんとつーくんが来てくれた。

「みぃ?ちょっと診察させてね。前園さん湯たんぽと毛布用意してて」

「はい」

「みぃ、急に熱が上がって辛いね。でもまだ熱下がらないと思うんだ。このままじゃみぃも辛いだろうし、解熱剤一度入れようか。でも薬切れたらまた上がると思うけど、大丈夫?」

小さく頷いた。

もう何も考えられないし、つーくんに任せよう……

私が頷いたのを見て、つーくんは注射をした。

「水分とれそう?喉が痛いとなかなか口から水分取るの辛いと思うんだけど……」

既に喉が痛いのにここに水分を流すなんてしたくない……

首を振る。 

「じゃぁ、脱水防ぐために点滴入れておくね」

また一つ点滴薬がぶら下がった……

早く退院したかったのに、この状態じゃ、暫く無理だろうな……

そう思うと、ツーっと涙が流れた。