暫くしても喉の痛みは治まらなくて……もう痛すぎて喋りたくない……

それにすごく寒くて……

もうすぐ冬だから寒いのは分かってるんだけど、いつもより寒い。

どうしよう……

こんな時はナースコールって分かってても、忙しいから迷惑かけちゃうと思うと、なかなか押せない……


「クシュン……」

寒すぎてくしゃみまで出てきた。

このままでいる方が迷惑掛けちゃうかな……

意を決してナースコールを押す。

「どうされました?」

「あの……ケホ、寒くて……毛布とか……ありますか?」

「分かりました。持っていきますね」

良かった……

ホッとしたのか、寒さが増す。


コンコンコン


「みぃちゃん、寒いって聞いたんだけど」

由奈さんが毛布を持ってきてくれた。

「あり、がと……ケホケホ」

由奈さんを見て安心したのか、涙が出る。

「みぃちゃん?辛いよね……喉痛いよね。無理して喋らなくていいからね」

そう言いながらチェックシートを見つめる由奈さん。


「…………みぃちゃん、もう一度体温計っておこうか」

由奈さんの言葉を聞いて小さく頷く。 

「みぃちゃん。吐き気はある?」

体温計を挟みながら由奈さんは聞いてきた。

その問いかけに小さく首を振る。