今も変らず優しい二人だけど、今は二人とも大切な人も出来て…

これから私の事は気にせずに、幸せに暮らして欲しいと以前二人に伝えたら、怒られた。

『そんな事美晴に言われたくない!!それに、美晴の事を最優先に出来ないなら、俺はずっと一人でいい』

ひな兄は、悲しそうにそう言って病室から出て行ってしまった。

『みぃ。俺や日向は美晴の事ちっとも負担になんて思ってないし、彩も新もみぃの事大切だって言ってくれてる。
だから、みぃがいくら嫌がっても、俺達一家はみぃの近くにずっといるからね。でもほんとは、みぃからそんな言葉聞きたくないな……』

かな兄も切ない顔をしていた。


私は、ただ二人に負担をかけたくないと思って言ったんだけど、二人を傷つけてしまっていた。

きっと私の気持ちは二人に伝わる事はないんだな~と実感した。



ふっと、思考が現実に戻ってきた。

病室を見渡すと、葵とひな兄とかな兄がいた。

「みぃ、ボーっとしてたけど気分はどう?」

葵が私の目を見て聞いてくる。

嘘は許さないよ!と言われている気分。

「葵…ごめんいつ来てくれたの?全然知らなかった」

「俺たちはついさっきだよ。考え事?」

「昔の事を思い出してたの」

「昔の事?」

「かな兄やひな兄がくれた優しい言葉や、怒られた事とかね」

「俺も今回の美晴の行動で昔の事思い出してたよ。美晴が小学校の頃」

ひな兄の言葉に驚いた。

「ひな兄も?」