湊と葵が遊びに来てから一週間後。

みぃの体調が落ち着いてきて、ようやくICUから出られる事になった。

『かなにぃー』

俺の事を呼ぶみぃは、酸素をつけて点滴も手放せない状態だけど、肺炎は良くなってきている。

ただ、体力が落ちていることが心配だった……

今もベッドで体を起こしているものの、グッタリしている……


『どうした?』

『みぃ、げんきになった?』

いつもの病室に戻れたことで、元気になっていると理解しているみたいだった。  

『お部屋は戻ってきたけど、まだもう少し元気になるために頑張ろうな』

こんな小さなみぃに頑張れとしか言えない俺は無力だ……

『みぃ、がんばるから……そんなお顔やだ』

みぃにこんなこと言わせちゃダメだな……

『俺も側にいるからね』

『かなにぃー、すきー』

みぃが嬉しそうに微笑んで、笑顔になった。

やっぱりみぃには笑顔が似合う。

この笑顔をずっと守り続けていきたい。






「かな兄」

ふと意識が現実に戻ってきた。  

「どした?」

「早く退院してまた一緒にお仕事頑張るから。だから、少しだけお休みください」

目を覚ましたみぃは、眠る前の弱気なみぃではなかった。

「無理せずゆっくり治すんだよ。元気になったらまた一緒にお仕事しような」

「うん」

みぃの嬉しそうな笑顔に、俺の言葉は間違ってなかったと思った。

みぃの笑顔をこれからも守っていきたい。

そう再び思わせてくれた出来事だった。