『少し熱が上がってきてるわ。発作の後だし、血圧もいつもより高めだけど仕方ないかしら……森先生には伝えておくわね』

『よろしくお願いします』

『また何かあれば、ナースコールしてね』

そう言って宮本さんは、病室を出ていった。


こんな、小さな体で辛いよな……

みぃが体調を崩すといつも思ってしまうことだった。

家族の中で、一番小さいのに、一番辛いことを経験しているみぃが不憫で仕方ない。

変わってやれるものなら変わってやりたい……

でもそれは無理なことだから……

少しでも苦痛を和らげてあげたい……

俺が今できることは少ないけど、大人になって医者になれば、みぃの苦痛をすぐに、取り除いてあげれるんじゃないか……

最近そんな事を考えるようになってきた。
 
俺の最終の仕事は産まれた時から決まっているけど、社会人になってすぐに家を継がなきゃいけないことはないから……

みぃの側にいる口実にもなるし…… 

頑張って医者になろう。  

俺の将来設計を決めた瞬間だった。