病室に戻ると兄貴も来ていた。

『みぃ。おかえり』

笑顔で美晴を迎えた兄貴。

『かなにぃっ‼ おかえり』

兄貴の姿を見つけた美晴は、兄貴に抱きついた。

『検査頑張ってたんだね』

『ひなにぃが、ずっといっしょだったから、がんばれたよ』

『そうか~。よかったな』

そう言いながら美晴をそっとベッドに座らせた兄貴。

『ちょっと疲れただろ?休憩しようか。眠ってもいいよ』

兄貴は美晴の体調に敏感だから、きっと気付いたはずだ。

ベッドに横になったら美晴はすぐに眠ってしまった。


『こんにちは、彼方くん』

『森先生、こんにちは。美晴、迷惑掛けてませんか?』

『みぃちゃんの行動なんて可愛いもんだよ。二人とも心配しなくても大丈夫だよ』

森先生の言葉に兄貴と二人で顔を見合わせた。

『だけど、少しだけ酸素濃度が低いんだ。多分息苦しいはずだよ』

『みぃ……』

『少しでも楽になるように、酸素つけておこうかな。検査結果は明日伝えるよ』

森先生はそう言って病室を出ていった。

『日向、検査どうだった?』

『最初いやがってたんだ。訳を聞くと、一人になるのが嫌だって。それを聞いた森先生が、俺も一緒に検査に付いていっていいって言ってくださったんだ』

『そうか……みぃ、淋しかったんだな……』

兄貴は辛そうに笑った。