前園さんを家に泊めて以来、よく家に遊びに来るようになった前園さん。

数日前も少し体調を崩した美晴の様子を見に来てくれて、美晴に元気を分けてくれていた。

美晴の様子を見終わると、俺とも少し喋ったりする事が増えて、日に日に前園さんへの気持ちが大きくなるのを自分でも実感していた。


そんなある日、美晴の体調が思わしくなくて、病院へ連れて行くと、司さんから入院を言い渡された美晴。

定期検診の結果もあまり良くなくて、検査入院の提案をしようと思っていたのだと司さんから説明された。


美晴は、

「最近体調良くなかったし、仕方ないよね……」

と少し予想してたみたいだ。

「美晴、一度荷物取りに戻るから少し1人にしちゃうけど大丈夫?」

「ひな兄、ごめんね……」

美晴は、ベッドにぐったりと横たわりながら謝ってきた。

「美晴が気にする事ないよ。謝るより嬉しい言葉が欲しいな……」

俺の言葉の意味を汲み取った美晴は、笑顔で嬉しい言葉をくれた。

「………ひな兄、ありがとう」


「どういたしまして。美晴ちょっと眠っておくといいよ」

「うん」

そう言いながら目を閉じた美晴。


そっと病室を出て、廊下を歩いていくと、前園さんと出会った。

「あ、ひなくん。今日は公休じゃなかったっけ?」

「由奈お疲れ……美晴の付き添いだよ」

仲良くなってから、俺達は同い年という事もあって、打ち解けるのも早くて、『ひなくん』『由奈』とお互い呼ぶようになった。