「いやぁー、いきなりグーパン来るとは思ってなかったよー」


濡らした私のハンカチで鼻を冷やしてる裕也くんは楽しそうに笑った。


「ご、ごめんねっ?」

「いーよいーよ、俺こそごめんねー?近かったねー」


とか言ってまた顔を近づけようとしてくるのを間島くんが止めてくれた。


「裕也、また殴られんぞ」

「あー、ほんとだねー」


ケラケラと裕也くんが笑う。

「って言うかさぁー、君名前はー?」

「あ、私?私は手島美咲だよ」


「へぇー、美咲ちゃんって言うんだー、覚えた」

そう言って裕也くんがにこっと笑う。

悪い人では....無さそうかな?

って言うかまた近いっ....癖なのかな?


「ゆ、裕也くん、近いよ....」

「あれー?ごめんねー」


笑いながら離れていく裕也くん、さっきから笑ってばかりだな、この人....



「あー、裕也達話しすぎっ帰ろーよ」

「あ、もうそんな時間....?」

辺りを見ればもう既に薄暗くなっていた。


「そうだねー、あ、もう遅いから俺、美咲ちゃん送ってったげるー」

「えっ、いいよいいよっ一人で帰れるし!」


「だーめ、女の子でしょー?さ、帰ろ?」


「おいこら、さりげなく二人で帰んな」

間島くんが言ってそれにもう一人の男の人が「そーだそーだ」などのあいずちちをうっている。

「チッ....」

今裕也くん舌打ちした!?




そんなこんなで皆で帰ることになりました。