4年生
5年生

そうやって
年を重ねて
少しずつ
大人になっていった
あたしは

一緒に帰ることのなくなった
話すこともなくなった
章弘のことを
遠くから
ずっと遠くから
見ていた


友達に囲まれて
楽しそうに
バスケをしている
章弘

一人になれば
つまらないものを見るように
冷たい目をして
空を見る
章弘

また
何か見えないものに
追われて
暴れて
指導室に連れて行かれる
章弘


一緒にいられる誰かを
見つけたんだとゆう
寂しさも
悲しさも
苛立ちも越えて

今もまだ根付いている
心のそこにある
冷たくて暗い闇を
ときどき見せる章弘が
心配だった

ただ見ているしかできない
自分が嫌にもなった

自分のしたことで
こうなってしまったと
分かっていても

今もまだ
章弘のことが
好きなんだと

嫌でも
思い知らされた


章弘が
バスケの腕を
めきめきあげているのは
遠くから見ていても
よく分かった

一方で
そのバスケを教わっている
先輩の悪影響を
受けていたことなんて
少しも知らずに