ひとりぼっち


それが一番
二人が恐れていたこと
かもしれない

一人ぼっちの
寂しさを
誰より知ってる
二人だったから

今回のことで
大切な存在を
失う怖さは
嫌とゆうほど知った


二人は今まで以上に
寄り添った

愛も恋も
好きになると
ゆうことすら
知らずに

ただただ
側にいた


「一緒に帰ろっか」

「いっつも一緒やんか」


章弘はいつだって
素直じゃない

でも
あたしも
人のことは言えない

なんて不器用な
二人だったんだろう


二人で帰れば
まともな道で
帰ったことはなく

それは溝だったり
あぜ道だったり
人の家の庭だったり

よくそれで
学校に
苦情がきたものだった


「いたーぃ!!」

「何しとんねんお前はっ!」


溝から帰ったある日
あたしは足を滑らせて
ひざに大きな
傷を作った

章弘は
「大丈夫か?」
の代わりに
「アホか!」
と言った

あたしには
それで十分だった