無視されるのが
とにかく怖くて
あたしからは
何もできずにいた
この一週間

学校は
まさしく戦場だった


森君が泣かされたことは
あたしのせいになっていて
関わると
章弘に蹴られると
みんなそう思っていた


今まで以上に
あたしは
一人だった


でも


そんなことは
もう
どうでもよかった

一人ぼっちには
なれていたし
どうせ友達なんて
どうしたらいいか
分からないものだったから


それより何より
章弘と話せない
それが一番辛かった


遠巻きに見る章弘は
いつも以上に
ピリピリしていて
笑う顔なんて
どこかに忘れてきた
そんな顔をしていた


掃除の時間に
いきなりキレて
机をひっくり返したり

授業中に
教室から出て行ったり

同級生や先生に
暴力を振るったり


章弘は
元の章弘に
戻ってしまった


知り合ったころも
こんな感じだった


「最近西田君落ち着いとったのにね」


保健室の先生が
あたしに言った


熱を出したあたしは
お母さんの迎えを待っていた