ただ、愛してる。

♪♪♪♪~

昼、社内に音楽が流れた。
昼休憩の合図だ。

私はグーと背伸びをして首を回す。

はぁ、もうすでに疲れたな…


「佐奈、お昼行こ!」

「うん、ちょっと待って」


鞄から財布と携帯を取り出して、立ち上がったその瞬間、

「宮原、ちょっと」

後ろから中津さんに呼ばれて、私は一瞬ビクッと震えた。


「………はい」


ドキドキしながら振り返ると、中津さんが顎をクイッと動かして、着いてくるように促された。

私は多恵子に「ごめん」とジェスチャーだけして、慌てて中津さんの後を着いていく。

移動中、中津さんはずっと無言で、次第に私の心臓はドキドキと速くなっていった。


何で呼び出されたのか分からなくて、私はまた何かミスしたんだろうか…と不安にもなってきて。


「あの、中津さん?」


勇気を出して呼び掛けてみる。

すると中津さんは、誰もいない会議室へと入って、私も後を追うように中へと入った。