部屋に案内されると…そこには管がたくさん繋がれている祖母が寝ていた。 『おばあ、』 いつも、そう呼びかけると優しい顔で「どうした?美愛」と声をかけてくれる。 けど…声をかけても、 私が求めている祖母の声は聞けなかった。 「担当医の石井と申します。娘さんにも伝えたのですが、」 と、ベッドの横にいた女性をさした。 誰… 娘って、誰の娘? 祖母の娘? 私の時間が一瞬止まった。 でも…医者は何もなかったように何かを話し続けている。