「みかちゃん?」

『美愛』




私は、少しボリュームを上げて言った。




小さな声で言った自分が悪いのに、

聞き直すこの男に腹が立ってしまった。






「失礼。美愛ちゃん!可愛い名前だね」

『どこが』

「え?嫌いなの?」

『大嫌い』

「なんで?」

『あの人がつけたから』

「悩みでもあるなら聞くよ。俺でよければ」

『別に大丈夫』