一人でこんな気持ちで過ごすくらいだったら、あの場で日高さんに抱かれてた方がよっぽどマシで──、引き返そうと背を向けたその時、 「っ、」 あたしは何かにすっぽりと包まれた。 「…行かせない」 …ドクリ、と脈を打つ。 本当に、晃介は狡い。