それは第三者によって払われた。





尋常じゃなく冷たい手によって自分のそれが握られたかと思ったら、勢いよくそのまま引っ張られるあたし。



ヒラリとあたしの長い髪が宙を舞う。







──まるで時が止まったかのように。





えっ…という日高さんの戸惑った声が聞こえてきたけれど、振り返ることなくズンズンと先へと進まされてゆく。