不器用な恋に、口付けを。





サッと紙袋を手に下げてオフィスを出て行くあたし。




心はもうかなりの沈み様でこのまま一人で家に帰るだなんて、心苦しく思ってきてしまう。




もともとは晃介と過ごす予定だった。




…だけどそれもナシ。




あたしはただ単に彼にからかわれただけだったんだ。





「…さむっ…」





開く自動ドアから一歩ヒールの音を鳴らせ、暖房の効いたオフィスビルから出ると外はちらほらとまた雪が降っていた。