不器用な恋に、口付けを。





新しい生活で慣れないことは多かったけれど、自分の才能を誰かに見定めてほしくて一心に頑張っていたつもりだった。





…あたしの行為は無駄だったわけ?

…何も、見られていなかったわけ?





悔しい。



でも言い返せないのはこの世界がまだまだ階級社会だから。




あたしグッと口元に力をいれてひたすらに謝るだけの愚かな存在。



もう、嫌だ…。



今日に限っては冷たい言葉がグサグサと胸にささっては苦しめられる。