不器用な恋に、口付けを。





大してあたしのことを知っているわけじゃない。



その癖あたしの能力を知ろうともしない奴がよくそんなことを言えるな…と、悔しくて。




今回のは明らかにあたしのミスだけど、こんなのをやったのは初めてだし。




今までだってあんたが言うほどに酷い仕事をしていたわけじゃない。




部署の先輩だって市川はよくやってくれるって褒めてくれた。




だから頑張ろうって、そう思って無理難題なハゲ課長の要求にも多少苦労しながらも応えてきたのに。