不器用な恋に、口付けを。




***




「市川ー…、お前こんなこともできないのか」






それから一週間。




街の人が賑わうクリスマスイブの日。





晃介が彼女らしき人と仲良く歩いているところを目撃してしまったあの日から、あたし何もかも上手くいかなかった。




会社では部署が違う晃介と、なるべく出くわさないように気を張ったり、




そんなにショックだったのかってくらいに食欲もガラリとなくなって、友達にはやつれたかと心配されたり。




煙草を吸う量も増えるわで、日々の仕事とか上司への鬱憤とか…どんどんストレスが溜まってしまった。