不器用な恋に、口付けを。







────市川麻衣。



それがあたしの名前だ。




正直こんないかにも女の子っぽい名前は似合わないと思ってる。



だけど晃介はこんなにも甘く呼んでくるもんだからあたしは毎回むず痒くなってしまうんだ。




「…何よ」


「んー別に。てか麻衣まだそれ吸ってんだ」





サラッと流しやがる晃介はあたしが握っている煙草のケースに目を向けていて…、完全に向こうのペースじゃん。