「1足す1は?」

「え……」

2。その単純な答えさえ言えば良いけれど、私はその意味が分からない質問に戸惑った。

「答えろ」

冷たい声が掛かる。私はそれにせかされ、慌てて2、と答えた。

「『知識』はあるみたいだな」

「?」

どう言うつもりなのか。私は思わず首を傾げた。

「『名前』以外の『記憶』がないのか」

ラウリは言い直した。確かに考えてみると一般常識は分かる。

何となくスッキリした。

「それと、俺は優しくない。だから、タダでお前を置く訳にはいかない」

突然、ラウリは私の上に覆い被さる。