「はぁ……野菜が減っていたと思ったら、また漬物を作ったのか」

ラウリの言葉を無視して迷い家は私に小皿を渡す。それの上には白菜の漬物が添えられていた。
白菜の漬物に爪楊枝が刺さっている。これで食べろと言う事だ。

「頂きます」

漬物を口に含む。噛む度にシャリっと良い音がする同時に野菜の豊富な水分が出てくる。さらに、柚子の香りが私の鼻腔をくすぐる。

「美味しい！」

この一言に限る。その言葉が嬉しいのか迷い家の雰囲気が幸福感溢れている。そして、大量の漬物を出してきた。

ラウリは『これだから会いたくなかった』という顔をして頭を抱えている。
これは漬物を食べて一日が潰れるかもしれないと思った時、雀の声が聞こえてきた。