それからの事はあまり覚えていない。 



どうやって部屋を出たのかも、 
どうやって家に帰ってきたのかも、覚えていなかった。 




―――…。




あれから、菜穂とは一切連絡を取らなくなった。 



たまに学校で会った時も、俺は菜穂を避け続けた…。 




このまま、喋る事もなく時間が過ぎていけば、きっと全て忘れられる。 


そう思ったのに…



忘れようとすればする程、気持ちは高ぶった。 





そんなこんなで悩んでいた時・・・



「…今日の放課後、公園で先輩の事待ってますっ!」

学校の廊下ですれ違った菜穂に言われた。




絶対、


行くわけねーじゃん・・・