最後の時間・・・

まだ疲れてぐったりしている菜穂をずっと抱き締めていた。



あと少し、
もう少しだけ…



菜穂の体温を感じていたかった・・・







「菜穂…やっぱり、もうお前には会えない。」







「…どうしてですか……?」



「…もう限界なんだよ。」


「…え?」



「お前と一緒にいると、疲れる…」


俺はそう言って、菜穂を離してベットから出る。 



徐々に冷めていく自分の体温に戸惑った・・・




「…先輩に会えなくなるなんて絶対に嫌っっ…!」



「………わりぃ…。」


謝っても許される事じゃないって分かってるけど、
今の俺にはそれしか言葉がない。





「…行かないでっ!」


菜穂はそう言って裸のままベットから飛び出してきて俺に縋ってきた。




その瞬間、



息が・・・




出来なかった。