嘘つきの世界で、たったひとつの希望。

その足で屋上へと向かう。
さっきまで騒がしかった教室も廊下も。
ガランとしていて静かだった。

どれだけトイレにいたかは分からない。
だけど、腫れがった目が、苦しい胸が。
私の変化を表しているかの様だった。


「……」


屋上の扉を体で押しながら開ければ、一気に眩しい光が目に飛び込んでくる。
思わず目を瞑ってしまうけれど。
すぐにその光を体で受け止める。

闇に包まれた心を。
どうか明るく照らして。


「ははっ……私は……何のために生まれてきたんだろうっ……」


誰かの心を覗き見する為?
誰かに気味を悪がられる為?

それとも苦しむ為?


「って……私には苦しむ資格なんて無いか……」


屋上の、ちょうど真ん中。

影も何もなくて。

光だけが溢れている場所。

そこに辿り着いた瞬間にガクンと足が折れる。

地べたに座り込み力なく笑みを浮かべた。


「アンタって本当にその顔好きだよね」


誰もいないはずの屋上。

それなのに、どこからか聞こえる声。

ふと、見上げれば、そこには光を背負ったキミがいた。


「……ま……まさきっ……」


給水塔の近くのスペースでキミは手招きをする。
それを見た瞬間に走り出していた。

不思議だ。

さっきまで1人になりたかったのに。
キミの傍を離れたかったのに。

キミの顔を見た瞬間に、その考えなんかどっかに飛んでいく。