嘘つきの世界で、たったひとつの希望。

「お前らテスト初日お疲れ!
でも、まだ始まったばかりだ!最後まで頑張れよ!!」


ウザいくらいの熱血ぶりで佐藤先生は声を張り上げていた。
生徒たちは疲れからかあまり元気がないみたいだけど。

そんな光景を他人事の様に見ながら帰る準備をする。


「和葉ちゃん!」

「和葉!」

「ん……?」


声が聞こえる方を向けば女の子たちが目に映る。
1人は背の小さな可愛らしい子で、1人は背の高いボーイッシュな子。
同じクラスの人だ。


「ココなんて書いた?」

「スゲェ気になってさ!」


テストの問題用紙を見せてくるのは可愛らしい由香里ちゃん。
豪快な笑いをする美人系な有紗ちゃん。

クラスの仲の良いグループで、所属をするとすればこの2人と同じ所になるだろう。
でも、最近はあまり一緒にいない。

喋るけれど、それすら稀になってきた。
この子達は本当にいい子だ。
でも、それは表だけ。

どんなにいい子でも裏の顔は悲惨なもので。
それでも一緒にいたのは怖かったからだ。

1人になるのが。
クラスから浮くのが。

最低だけど、弱虫な私はそうする事しか出来なかったんだ。


「えっとココは……」


自分が書いた答えを言えば由香里ちゃんは満面な笑みを浮かべて、有紗ちゃんは大袈裟に肩を落とした。


「同じだ!やっぱそうだよね!有紗ちゃんの負け!!」

「わー……何で!?」


傍から見れば仲がよさそうなやり取りなのに。
私には届いてしまうんだ。
2人の醜い声が。