「いただきます」
「いただきます」
お母さんとお兄ちゃんの声が重なり合ってダイビングに響き渡る。
少し間を開けて、私も小さく同じ言葉を繰り返した。
正直に言えば食事どころではないけれど。
またお母さんやお父さんに何かを言われたくない。
言われるくらいなら、無理やりでも食べた方がいい。
そう思い、1番軽そうなホウレン草のおひたしを口に運んだ。
口に広がるダシの香りが吐き気を促した。
「うっ……」
小さな悲鳴。
本当に小さかった為、隣にいたお兄ちゃんにも聞こえなかっただろう。
なんとか飲み込んで息を整える。
頭の中には醜い感情がグルグルと回っていて。
今にも倒れてしまいそうな状態だった。
そんな私の異変に気が付く事も無く、お父さんとお母さんは今日もまた偽りの夫婦関係を演じていた。
「お父さん毎日、お仕事お疲れ様(もっと稼ぎなさいよ)」
「いや、お前も家事と仕事の両立お疲れ(お前が家庭に入らないから飯がこんなに不味いんだよ)」
表向きは仲の良い夫婦なのに。
裏を返せばドロドロの感情だらけで。
それなのにずっと一緒に家族をやっている。
お互いに不満があるくせに。
一切それを口に出そうとはしない。
私たち子どもの手前か。
自分たちの意思かは分からないけれど。
何でこんな事を続けてまで一緒にいるの?
幼い疑問は誰にも届かずに消えていく。
別に離婚をして欲しい訳ではない。
家族がバラバラになるなんて嫌だし、ずっとここに4人でいたい。
だけど。
私だけに聞こえる“心の声”が。
日に日に黒く染まっていく、そんな感じがするんだ。
「いただきます」
お母さんとお兄ちゃんの声が重なり合ってダイビングに響き渡る。
少し間を開けて、私も小さく同じ言葉を繰り返した。
正直に言えば食事どころではないけれど。
またお母さんやお父さんに何かを言われたくない。
言われるくらいなら、無理やりでも食べた方がいい。
そう思い、1番軽そうなホウレン草のおひたしを口に運んだ。
口に広がるダシの香りが吐き気を促した。
「うっ……」
小さな悲鳴。
本当に小さかった為、隣にいたお兄ちゃんにも聞こえなかっただろう。
なんとか飲み込んで息を整える。
頭の中には醜い感情がグルグルと回っていて。
今にも倒れてしまいそうな状態だった。
そんな私の異変に気が付く事も無く、お父さんとお母さんは今日もまた偽りの夫婦関係を演じていた。
「お父さん毎日、お仕事お疲れ様(もっと稼ぎなさいよ)」
「いや、お前も家事と仕事の両立お疲れ(お前が家庭に入らないから飯がこんなに不味いんだよ)」
表向きは仲の良い夫婦なのに。
裏を返せばドロドロの感情だらけで。
それなのにずっと一緒に家族をやっている。
お互いに不満があるくせに。
一切それを口に出そうとはしない。
私たち子どもの手前か。
自分たちの意思かは分からないけれど。
何でこんな事を続けてまで一緒にいるの?
幼い疑問は誰にも届かずに消えていく。
別に離婚をして欲しい訳ではない。
家族がバラバラになるなんて嫌だし、ずっとここに4人でいたい。
だけど。
私だけに聞こえる“心の声”が。
日に日に黒く染まっていく、そんな感じがするんだ。

