新しい季節がやって来た。
まだ少し冷たい風が残っているけれど。
どことなく春の香りが漂っている気がする。
この季節が過ぎれば私とキミは全部の季節を一緒に過ごした事になる。
まあ、それからだって、ずっと一緒な事に変わりはないけど。
見上げれば一面の空の青。
前を見れば一面の海の青。
ココはいつだって静かで輝いていた。
私とキミが逢った思い出の場所。
不思議な事に。
2人ともココで命を絶とうとしたのに。
来ないなんて選択肢はない。
私にとっても。正輝にとっても。
大好きな場所だから。
「ねえ、何を考えてるの?」
ゴロンと寝転がっていたキミは、ゆっくりと体を起こす。
座っていた私を覗き込む様にしていたけれど。
それに飽きたのか、私の膝の上に頭を置いてきた。
「あのさ、何してるの?」
「膝枕」
「いやいや、見れば分かるし」
キミのオデコを叩けば乾いた音が響き渡った。
「痛い」
「キミが悪い」
「彼女に膝枕をして貰って何が悪いの?」
「そ、それは……」
口を噤んだのは理由が見つからなかったからじゃない。
ただ、彼女って言う響きが恥ずかしかったんだ。
膝枕だって恥ずかしいけど。
それでも止めないのは、キミが嬉しそうに笑うから。
それだけで胸がきゅんと切なく締め付けられる。
まだ少し冷たい風が残っているけれど。
どことなく春の香りが漂っている気がする。
この季節が過ぎれば私とキミは全部の季節を一緒に過ごした事になる。
まあ、それからだって、ずっと一緒な事に変わりはないけど。
見上げれば一面の空の青。
前を見れば一面の海の青。
ココはいつだって静かで輝いていた。
私とキミが逢った思い出の場所。
不思議な事に。
2人ともココで命を絶とうとしたのに。
来ないなんて選択肢はない。
私にとっても。正輝にとっても。
大好きな場所だから。
「ねえ、何を考えてるの?」
ゴロンと寝転がっていたキミは、ゆっくりと体を起こす。
座っていた私を覗き込む様にしていたけれど。
それに飽きたのか、私の膝の上に頭を置いてきた。
「あのさ、何してるの?」
「膝枕」
「いやいや、見れば分かるし」
キミのオデコを叩けば乾いた音が響き渡った。
「痛い」
「キミが悪い」
「彼女に膝枕をして貰って何が悪いの?」
「そ、それは……」
口を噤んだのは理由が見つからなかったからじゃない。
ただ、彼女って言う響きが恥ずかしかったんだ。
膝枕だって恥ずかしいけど。
それでも止めないのは、キミが嬉しそうに笑うから。
それだけで胸がきゅんと切なく締め付けられる。