嘘つきの世界で、たったひとつの希望。

「はあ!?何言ってんだよお前!!」

「そんな事が出来る訳ねぇだろ!?」

「白石も嘘つきだ!!」


騒ぎ立てる皆。

そんな中で、加藤くんは薄く笑っていた。


「だったらココで皆の心の声を読んでみろよ。
全部当たってたら……信じてやるよ……」


絶対に出来っこない、加藤くんの顔もそうだけど、心もそう言っていた。

皆に心の声の事がバレるのは怖かった。

“化け物”そう呼ばれるのは目に見えていたから。

胸の真ん中あたりが締め付けられるように痛いけれど。
それでも、正輝を傷付けられるよりはずっとマシだった。

他の誰に嫌われようと関係ない。

そう思い、大きく息を吐いた。


「分かった……」


隠し続けた秘密を明らかにしようとすれば、ぎゅっと手を握られた。
まるで私を止めるかの様に。
それは誰かなんて確認しなくても分かる。


「和葉、もういいよ」

「まさ……き……?」


フワリと柔らかい笑顔を浮かべた正輝が私の手を優しく掴んでいた。


「アンタが苦しむ必要なんてない」


あまりにも優しいその顔に言葉を出す事すら出来ない。
だって、優しいだけじゃない、何か覚悟を決めた様なその顔にとてつもない胸騒ぎを感じた。


「正輝?」


何をしようとしているの?
それが分からなくてキミを見つめるけど笑顔を返されるだけだった。


「大丈夫」


フワリと頭を撫でられる。
柔らかいその表情。
でも、私から視線を逸らした途端に無表情へと変わる。


「証明してあげる」

「……はあ?」

「俺が嘘をついたら死ぬって事を」


正輝はそう言うと鼻で笑う。


「まあ、死にたくないからその1歩手前までね」


キミの言葉で、全てを察した。
キミがやろうとしている事を。