嘘つきの世界で、たったひとつの希望。

「か、和葉ちゃん?どうしたの?
(ビックリした……こんな感情的な和葉ちゃん……初めて見た)」


皆を代表する様に由香里ちゃんが声を掛けてくれる。
でも、私は何も答えずに教室中を見渡した。


「あのさ……本当にくだらないね……あなたたちって」


鼻で笑う様に言えば、皆の怒りが一気に私へと向いてくる。


「は!?」

「テメェ何言ってんだよ!!」

「(なんかムカつく)」

「(ってか思ってても言わないだろう普通)」


沢山の声が聞こえる中で私は微笑んだ。
皆が怒ったって何も怖くない。
この人たちに嫌われたってどうでもいい。
そんな事より、私が守りたいものを守れればそれでいいんだ。
ぎゅっと拳を握りしめて口角をこれでもかってくらいに引き上げた。


「強い人に従う事だけがあなたたちの生き方なの?
……だったら本当にくだらない」

「そ、そんな事!!」

「そうだ俺たちの意思で……」


言い返してくるクラスメートたち。
そんな彼らを見ながら私はタメ息を吐いた。


「さっきまで山本くんの味方だったくせに……真実を知って一気に寝返るなんて……。
それって本当の友達なの?
友達なら何があっても傍で支えてあげなよ!!
リーダー核の人間が、NOと言えば、あなたたちは例えYESだと思っていてもNOに答えを変える。
あなたたちに自分の意思なんて存在してない!!」


叫ぶように思った事を言い放つ。

でも、それは自分にも当てはまる言葉だった。

正輝に会うまでは、私だって皆と同じだった。
周りに合わせて生きる事しかしてこなかった。

だけど、それは違うって正輝が教えてくれたから。
真っ直ぐに生きる大切さを正輝から学んだから。


「そんなくだらない人生で本当にいいの!?」


私だって、変わることが出来た。
沢山道を踏み外して、少しずつだったけど。
今こうして自分の気持ちに真っ直ぐになっている。
だから皆だって変われる。
変わろうとさえ思えば、いつだって変われるんだよ。
私の全ての気持ちを籠めて皆を見つめた。