「真子」
「・・・」
「顔あげろよ」
「・・・」
私はゆっくり顔を上げて、守屋くんを見た。
守屋くんの顔は真っ赤に染まっていた。
守屋くんのそんな顔を見て、私の顔はもっと赤くなった。
「ありがとな、妬いてくれて」
そう言って、守屋くんは優しく微笑んだ。
守屋くん・・。
迷惑だって思わなかった・・?
重たいやつだって思わなかった・・?
・・そんな風に言ってくれるなんて、私、嬉しいよ・・。
やっぱり、守屋くんが大好きだよ・・。
「もう二人の世界だね!」
急に、声と共に目の前に風香ちゃんの顔が出てきた。
私はびっくりして、イスから立ち上がった。
「ふ、風香ちゃん・・」
「おはよう!真子ちゃん」
「おはよう・・」
風香ちゃんはニヤニヤしながら私に耳打ちした。
「真子ちゃんたちラブラブだね!二人の世界すぎて、私のことなんて目に入ってなかったでしょ?私ずっといたのに・・」
「え・・いつから?」
「守屋くんが、真子ちゃんに可愛すぎって言ってたあたりから・・」
「・・・」
今の会話、ほぼ全部、風香ちゃんに聞かれてたの・・?
私は、さっきよりも顔が熱くなっていくのを感じた。
「・・・」
「真子ちゃん?」
「真子?」
私は少し頭を冷やそうと、教室を出た。
恥ずかしいよ・・。
守屋くんの前だと、守屋くんしか見えなくなっちゃう・・。
守屋くんだけが輝いて見える。
他のものなんて目に入らないよ・・。
「真子!どこ行くんだよ」
廊下の角を曲がろうとしたところで、後ろから守屋くんの声が聞こえてきた。
私はゆっくり足を止め、後ろを振り返り、守屋くんを見た。
すると、今度は、背中の方から聞きなれた声が聞こえてきた。
「・・小林、何してるんだ?ホームルーム始めるから、早く教室に戻れ?」
びっくりして、私はまた後ろを振り返った。
「・・・先生」

