風便り〜大切なあなたへ〜






大和・・。

やっぱり大和に話してよかったよ・・。

私、いつも大和に甘えてばっかりで、ごめんね・・。



『真子、泣くなよ』


『だってっ・・』



私がそう言うと、大和は小さく笑った。



『泣き虫だな』



大和に優しくそう言われ、私は涙がまた溢れてきた。



『大和っ・・・いっ・・』


『あ?』


『っ・・大和、会いたいっ・・』


『真子・・』


『・・わかってるっ・・こんなの、ただの我儘だって・・』



わかってる・・。

だけど、一回口に出して言ってしまったら、会いたいって気持ちが、もう止まらないよ・・。

大和に会いたい・・。



『・・待ってろ』


『え・・っ?』


『今から行く。俺も、お前に会いてえ』


『でもっ・・』


『お前が言い出したんだからな。責任とれよ』


『っ・・』


『俺が行くまでに、泣き止んどけよ?また後でな』



それだけ言うと、大和は電話を切ってしまった。


大和・・。

いつも、ごめんね・・。

私、どんどん我儘になってるね・・。

もう外も暗いのに、大和は、私が会いたいって言うと、いつも会いに来てくれる・・。

私こそ、自分勝手で、我儘で、自己中心的だね・・。

私、結城さんのこと、言えないよ・・。

大和、結城さんと香月さんのこと、なんとかするって言ってたけど、どうするのかな・・。

そんなに簡単に解決できる問題じゃないってわかってる・・。

だから、全部、大和に任せちゃってもいいのかな・・。

私にも出来ることないのかな・・。

私だって、なんでもいいから役に立ちたいよ・・。


いろいろ考えていると、30分くらい経った時、大和から連絡が来た。

私は静かに、玄関を出た。

玄関から少し離れた場所に、大和が自転車に跨って立っていた。



「大和っ」



私は大和のもとに駆け寄った。



「真子」



大和は私の名前を呟いて、私の顔を覗き込んだ。


「ちゃんと泣き止んでるな」



そう微笑みながら、大和は私の頭を優しく撫でてくれた。

私は嬉しくて、指輪をぎゅっと握った。



「大和、中に入ろう?」


「いや、ここでいいよ。お前の兄妹に、邪魔されたくねえからな」



そう言って、大和は小さく笑った。

大和は自転車から降りて、自転車を停めると、優しく私を抱きしめてくれた。



「大和・・見られるよ・・」


「暗いから大丈夫だ」



大和は耳元で囁いた。

私は目をぎゅっと閉じた。


もう・・耳元で囁かないで・・。



「囁かないでって、いつも言ってるのに・・」


「ごめん。お前見てると、意地悪したくなるんだよ」


「・・・」