風便り〜大切なあなたへ〜






どうしよう・・。

私、どうしたらいいのかな・・。

私の気持ちは、絶対に変わらないのに・・。

今のこと、大和に話した方がいいのかな・・。


私は大きなため息をついて、大和の名前を見つめた。


・・やっぱり、言おう。

どんな些細なことでも、隠すのは嫌だもん・・。


私は少し緊張しながら、大和に電話をかけた。

大和はすぐに出てくれた。



『もしもし・・大和・・?』


『おう、どうした?』



大和の声は、いつも通り優しい声だった。



『うん・・・あのね、さっき、結城さんから電話がかかってきて・・』


『あ?あいつの番号消したんだろ?』



私の話を聞いて、大和は少し不機嫌な声で、ぶっきら棒に言った。



『うん・・ちゃんと消したよ?知らない番号だったから、最初は出なかったんだけど、ずっと鳴ってたから、気になって出たの・・』


『・・・それで?』


『それで、その電話、結城さんからで・・香月さんに会った事、お付きの人から聞いたって、心配してくれて・・それから・・大和に内緒で、俺と付き合えって言われた・・』


『は?』


『もちろん断ろうとしたよ?でも、言うな、そんなのは聞きたくねえって・・何回も途中で遮られて、ちゃんと言わせてもらえなかった・・』


『・・・』


『だから、結城さんに自分勝手だし、我儘で自己中心的だよって言ったの・・』


『お前、そんなこと言ったのかよ』



電話の向こうから、大和の少し驚いた声が聞こえてきた。



『うん・・我慢できなかったから・・そしたら、そんな事言われたの初めてだって、マジでお前が欲しいって・・絶対俺のものにしてやるって・・言われて・・』


『・・・』


『大和・・私、どうしたらいいの?私には、大和だけなのに・・どうしたら結城さん、諦めてくれるのかな・・』



私は胸が苦しくなって、指輪をぎゅっと握りしめた。

最近、嬉しいこと以外にも、指輪を握る癖がついてしまった・・。



『真子・・・もう、あいつからの電話には出るな。あいつのことも、考えるな。俺のことだけ考えてろ』



大和は真剣な声で言った。



『大和・・』


『お前には、俺だけだって分かってても嫌なんだよ。お前が、他の男の事を考えてるのが・・』


『・・・』


『俺がずっと、お前のそばにいる。あいつに、お前を奪わせる隙なんて与えねえ。だから、お前は何も悩むな。あいつの事は何も考えるな』


『・・・』


『全部俺に任せろ。結城のことも、香月のことも、俺がなんとかする』


『大和・・』


『お前は、何も心配するな。いいな?』



大和に優しくそう言われ、胸の奥が熱くなった。



『・・うん』



そう返事したと同時に、涙が溢れてきた・・。