風便り〜大切なあなたへ〜






大和は、私を抱きしめる腕に力を入れた。



「だけど、俺、反省も何もしねえで、俺に騙されるこいつらが悪りいだって・・ホイホイ喜んで俺についてくる、こいつらが悪りいだって・・」


「・・っ・・」



・・やめて。

・・やめてよ。

・・こんな話、聞きたくない・・。



「最初は喜んで押し倒されてるのに、最後にはやめてって泣きわめくこいつらなんて、どうなってもいいって・・」


「っ・・やめてっ!そんな話、聞きたくないっ!」



私は我慢できずに、叫んだ。

その瞬間、大和の体が大きく震えた。



「真子・・」


「なんでそんな話するの!?昔のことでしょ!?香月さんの事だけでも嫌なのに、なんで他の人の話まで聞かないといけないの!?そんな話、聞きたくないよ!」



私は今までに出したことのないような声で、大和を捲し立てた。

こんなこと、言っちゃダメだって、分かってるのに・・。

大和は私を信用して、言ってくれてるのに・・。

私は、自分の感情を、抑えられなかった・・。


「・・っ・・・」


「真子・・最後まで聞いてくれ・・頼む・・」


「やだっ・・!聞きたくないっ・・大和なんか・・大和なんかっ・・」



ダメ・・。

この先は、絶対、言っちゃダメ・・。

言ったら、絶対後悔する・・。



「真子・・」


「っ・・大和なんかっ・・大嫌いっ・・!」


「・・っ」



気がついたら、私は叫んでいた。

私はハッとして我に返った。

大和は私を抱きしめていた腕を緩めて、小刻みに震え出した。

私は、後悔するって分かっていたのに、自分を止められなかった・・。


なんで言っちゃったの・・。

今まで生きてきた中で、一番大切な人なのに・・。

今まで生きてきた中で、一番、大好きで、一番、愛している人なのに・・。

なのに、大嫌いだなんて・・。

そんなこと、一ミリだって思ってないのに・・。

一番、言っちゃいけない言葉なのに・・。

なんで言っちゃったの・・。

大和・・。

大嫌いだなんて、思ってないよ・・?

本当は、大好きなんだよ・・?

だから・・。

だから、大和・・。

お願いだから、泣かないで・・。