風便り〜大切なあなたへ〜






私は反射的に、大和の手を掴んで、目をぎゅっと閉じて俯いた。



「大和・・やめてよ・・」



私は心臓の動きが一気に速くなって、胸が苦しくなった。



「真子・・可愛い」



大和は耳元で、甘く囁いた。


囁かないで・・。


私は大和の手を掴んでいる手に、ぎゅっと力を入れた。


もう、耐えられないよ・・。



「真子」


「・・・大和の、バカっ」



私がそう言うと、大和から息を吐くような、微かな笑いが聞こえてきた。

それと同時に、大和は私の胸から手を離した。


・・・あれ?



「腹、減ったろ?」


「・・うん」



いつもの大和なら、あのまま続けているのに・・。

別に、そういうことを期待してたわけじゃないけど・・。

でも、やっぱり大和、香月さんと会ってから、ちょっとおかしいよ・・。


私は、大和の膝からそっと降りると、大和を見た。

大和は立ち上がって、机に置いたコンビニ袋に手を伸ばした。



「まだあったけえから、早く食えよ」



そう言って大和は、私にお弁当を手渡した。



「うん・・」



私は大和からお弁当を受け取ると、椅子に座って、お弁当を開けた。


それから、私はモヤモヤしたままお弁当を食べ終わると、お茶を飲んで、一息ついた。

そのあと、先に食べ終わっていた大和のお弁当のゴミと、まとめてゴミ箱に捨てた。



「ありがとな」



大和は笑顔で言ってくれた。



「うん・・・ねえ、大和」



私から話を切り出してもいいのかな?

やっぱり、大和から話してくれるのを、待った方がいいのかな・・。



「神社での話か?・・・気になるか?」


「うん・・だって大和、ちょっとおかしいもん・・」



私がそう言うと、大和は真面目な顔をして、またベッドに座った。

そしていつものように、私に大和の足の間に座るように、ベッドを叩いた。

私は恥ずかしかったけど、真面目な顔の大和が珍しくて、大和に従った。

大和はいつものように、後ろから、ぎゅっと私を抱きしめた。