風便り〜大切なあなたへ〜






「大和、屈んで」


「・・・」



大和は無言で、ゆっくり屈んでくれた。

だけど、やっぱり私に視線は合わせてくれなかった・・。

私は大和の首に抱きついて、大和の唇に、私の唇を重ねた。

周りの人たちが、私と大和を見ている・・。

だけど、そんなのどうでよ良かった。

大和は目を見開いて私を見た。



「なっ・・に・・してん、だよ・・」



大和の顔は、みるみる赤くなっていった。

そんな大和も可愛いと思いつつ、私は大和から離れた。



「大和が悪いんだからね・・」


「・・・」


「私を、放ったらかしにするから・・」



そう言って私は大和に背中を向けた。

肩が震える。


こんなとこで泣いちゃダメだよ・・。


私は、必死に涙が落ちてこないように我慢した。



「・・・ごめん」



大和は後ろから私を抱きしめた。

その瞬間、堪えていた涙が溢れ出てきた・・。



「真子、ごめん・・悪かった」



大和は耳元で囁いた。

大和の低くて安心する、甘い声。

私はぎゅっと目を閉じた。


耳元で、囁かないで・・。


心臓がドクドク鳴っている。



「大和のバカっ・・っ・・」



私がそう言ったと同時に、新幹線がホームに滑り込んできた。

大和は私から離れると、私の肩に腕を回して、新幹線の中に私を移動させて、空いている席に座らせた。

隣に大和も座った。



「真子、泣くなよ・・悪かったよ。な?」


そう優しく言って、大和は私の頭を撫でてくれた。

私は大和に優しくされるたび、涙が溢れてきた。



「大和のっバカっ・・っ」


「ああ、俺がバカだった」


「バカっ・・バカっ・・っ・・」


「もう分かったって・・」



大和は困ったように、私の顔を覗き込んだ。



「・・っ・・何があってもっ・・」


「あ?」


「離れないっ・・っ・・」


「・・・」



そうだよ・・。

何があっても、私、大和から離れない・・。

大和の隠してること聞いたって、それは変わらないよ・・。



「さっきの事、気にしてんのか?」


「気にしてるのはっ・・大和だよ・・っ」


「・・・そうだな、俺の方だな」


「・・っ・・」



そう言うと大和は、私の頭をポンポンと優しく叩いた。