風便り〜大切なあなたへ〜






あれから大和は、何も言わなかった・・。

私と大和は来た道を戻って、バスに乗った。

バスの中は、行きと同様、クーラーが効いていたけど、人が多くて、座席には座れなかった。

その間、私と大和は一言も喋らなかった・・。

大和はずっと何か思いつめたような顔をしていて、気軽に話しかけれなかった・・。


隠してることって、なんなのかな・・。

私は大和の隠してることが、なんなのか、気になって仕方ないよ・・。



「・・・お腹すいた」



私はお腹が鳴って、空腹なのに気がついた。

呟いた声は、大和には届いていなかった・・。


そういえば、朝ごはん途中だったんだ・・。

あれから、お茶しか口にしてないもんね・・。

こんな時でも、お腹って空くんだね・・。


駅前でバスから降りると、また熱風が体を覆った。

暑いはずなのに、私の背中は、冷や汗が流れた。


大和とこんな空気になったのは、初めてだよ・・。

大和・・。

今、何考えてるの・・?


私は不安なって、大和の手を取って、優しく握った。

いつもは温かい大和の手が、今は、すごく冷たかった・・。



「大和・・」


「・・・」



大和が返事をしてくれない・・。

私を見てもくれない・・。


だけど、大和は、つないでいる手を、ぎゅっと握りしめてくれた。


大和、どうしちゃったの・・?

私が香月さんのこと、聞いたから、怒ってるの・・?

それとも、私が大和から離れていくと思ってる・・?

私、大和から離れないよ・・?

二人の関係を聞いて、ショックじゃなかったって言ったら、嘘になるけど・・。

でも、だからって、大和のこと、嫌いにならないよ・・?

だから、そんな顔しないで・・?



「・・・」


「ありがとう・・」



駅構内に入ると、大和は無言で切符を私に渡した。

改札を通って、ホームで新幹線が来るのを待った。

私は大和に話しかけようと思ったけど、いろんな雑音が邪魔をして、勇気の出ない小さいく掠れた声は、大和には届かなかった・・。


新幹線で二時間ちょっとかけて帰るのに、ずっとこままなんて、嫌だよ・・。


私はムッとして、大和を見上げた。