風便り〜大切なあなたへ〜






大和は、すごく怖い顔をしていた。



「真子、泣くな。こいつを喜ばすだけだ」


「っ・・うんっ」



私は大和に言われて、溢れてくる涙を拭った。


大和が来てくれた・・。

私は指輪をぎゅっと握りしめた。



「真子、こっち来い」



そう言って大和は、私に手を伸ばした。



「うん・・」



私も大和に手を伸ばそうとしたけど、後ろから結城さんに抱きつかれて、私は身動きがとれなくなった・・。



「行かせない」


「やっ・・離してっ・・」



私は頑張って振りほどこうとしたけど、結城さんの力が強くて、振りほどけなかった・・。



「離さねえよ」



そう言うと、私を抱きしめている結城さんの腕に力が入った。


痛い・・。

やだ、大和っ・・。


私は目に涙を溜めて、大和を見た。



「てめえ・・」


「守屋・・俺が、こいつを守る。お前は身を引け。こいつの為にもな。言ってる意味、わかるだろ?」


「っ」



大和は動きを止めて、拳を強く握りしめた。



「嫌っ・・私、大和にっ・・大和に、守ってもらうっ・・」


「真子・・」


「大和がいいっ・・大和じゃなきゃ、嫌っ・・だって、大和は、私のっーー・・」


「そうだな・・俺、お前のヒーローだったな・・俺はもう、お前を手放さないって決めたのに、何を迷ってんだよ」



大和は私の言葉を遮って、私をまっすぐ見て言った。



「・・大和っ・・」


「マジかよ?こいつの身が危ねえっつーのに、それでも諦めねえのか?」



そう言って、結城さんは大きなため息をついた。



「・・だから、俺がこいつを守るんだよ。何があっても、俺が、真子を守り抜いてやる。俺の命に代えてもな」



そう言うと、大和は結城さんの腕を掴んだ。



「・・・」


「俺は、お前の口車なんかには、乗らねえよ。お前が真子を諦めろ」



そのまま大和は、私と結城さんを引き剥がした。

私は大和を見上げた。

大和は優しく、抱きしめてくれて、私の頭を撫でてくれた。



「大丈夫か?」


「っ・・うんっ・・」



私は安心して、涙が溢れてきた・・。

大和は優しく微笑んでくれた。



「・・俺は諦めねえ。お前の、守屋に向いてるその心、絶対、俺に向けてやる」



それだけ言うと結城さんは、私と大和に背を向けて、行ってしまった。