風便り〜大切なあなたへ〜






「・・・じゃあね」


「・・おう」



そう言うと大和は、私を優しく抱きしめてくれた。

しばらくして私から離れると、大和は寂しそうな顔をして、私に背中を向けた。

外が暗くなった頃、私は見えなくなるまで、大和の愛おしい背中を見送った。


大和・・。

また明日、会えるけど、少しでも大和と離れてたくないよ・・。

大和と離れている時間が、とても寂しい・・。

早く、ずっと一緒に、大和といられるようになりたいよ・・。


そんな事を考えていると、手に持っていた携帯が震えた。

私は嬉しくなって、通話ボタンを押した。



『もしもし?』


『真子』



電話の相手は、今別れたばかりの、大和からだった。



『どうしたの?』


『・・お前の声が聞きたくなった』


『・・・』


『今、別れたばかりなのに、早くお前に会いてえよ』


『大和・・』



電話越しの大和の声は、少し寂しげで、私は胸がきゅっとなった。



『大和・・私もだよ。私も、早く大和に会いたい・・明日までなんて、長すぎるよ・・』


『真子・・』


『ずっとこうやって、大和と話していたい・・大和の声、大好きだよ・・大和の低い声は、すごく安心する。ずっと聞いてたくなる・・』


『お前、本当に今日は、すげえ素直だな』



電話の向こうから、少し嬉しそうな大和の声が聞こえてきた。

私は指輪をぎゅっと握りしめた。



『うん・・今のこの気持ちは、今しか伝えられないから・・思ったことは、素直に大和に伝えたいの・・少しでも、大和に、私の気持ちを知ってほしいから・・だから、大和・・大好きだよ。もう大和から離れたくない・・離れられない・・明日が待ちきれないよ・・早く大和に会いたい・・大和、愛してる・・』


『・・・ああ"ー・・くそっ』



電話の向こうから、悔しそうな大和の声が聞こえてきた。



『大和・・?』



・・迷惑だったかな・・・?



『・・お前、わざとかよ』


『え?』


『今すぐ、お前を抱きしめてえよ・・』


『・・・』


『・・・なんで電話なんだよ。なんでお前、今、ここにいねえんだよ。そんなこと言われたら俺、我慢できねえだろ?明日まで待てねえよ・・なあ、戻ってもいいか?』


『え?』


『戻って、お前を抱きしめに行ってもいいか?』


『・・・うん、でも・・』


『うるせえ、でもは無しだ。待ってろ』



そう言うと、大和は電話を切った。