風便り〜大切なあなたへ〜






「守屋くんは、男らしいわね」


「あ?・・じゃねえや・・そうですか?」



大和が言い直すと、お母さんは可笑しそうに笑った。



「硬くならなくていいのよ。もっと普通に、普段の守屋くんの話し方でいいのよ?真子の将来の旦那さんだもの、敬語なんて他人行儀よ」


「はあ・・」



大和は少しびっくりしたように言った。

私は大和の手をぎゅっと握って、大和を見上げた。



「そうだよ、敬語で話す大和は、大和っぽくないよ。私は口が悪くて、ぶっきら棒に話す大和が大好きだよ」



そう言って私は微笑んだ。

大和は少し頬を染めて、ぶっきら棒に言った。



「なんだよ、それ・・俺のこと、けなしてんのか?」


「褒めてるんだよ」



私は優しく笑った。


だって、本当のことだもん・・。

私は、口が悪くて、ぶっきら棒に喋る、大和の話し方が大好きだよ。

そんな喋り方の中にも、大和なりの優しさが溢れてる・・。

だから、敬語で話す大和は、なんだか別人みたい・・。

それに、あんまり聞きなれないから、可笑しくて、笑っちゃうよ・・。



「こんなに素直に話す真子、久しぶりね」



そう言ってお母さんは、少しびっくりしたような顔をした。


私、お母さんの前なのに、すごく恥ずかしいこと言っちゃった・・。

大和が隣にいると、大和しか目に入らなくなっちゃうよ・・。



「いつも素直で、俺から見たら、すげえ可愛いです」


「・・・」



そんなこと、言わないで・・。


私は恥ずかしくなって、俯いた。



「・・真子、顔あげろよ」


「・・・」



私は赤くなった顔を、ゆっくり上げた。

大和は私の顔を見て微笑んだ。



「顔、真っ赤」


「もう・・大和のバカ・・」



私は小さく大和を睨んだ。



「ふふ、とってもラブラブね・・邪魔者は退散するわ。後でお皿片付けに来るわね」



そう笑いながら言うと、お母さんはテーブルに手をついて立ち上がって、部屋から出て行った。