風便り〜大切なあなたへ〜






それから大和と二人で、部屋で過ごした。

祐太は部活で、結依は遊びに行っているみたいで家にはいなかった。

13時ごろ、お母さんが私の部屋をノックして、ドアを開けた。



「真子、入るわよ?」


「うん」


「ご飯、食べられる?」



そう言ったお母さんの手には、二人分のオムライスが、お茶と一緒に、お盆の上に乗っていた。



「守屋くんの分もあるから、よかったら食べてね」



そう言ってお母さんは、テーブルの上に、お盆を置いた。



「ありがとうございます」



大和は軽く、お母さんに頭を下げた。



「でも、よかったわ。二人、仲直りできたのね」



お母さんは、安心したように笑った。



「・・お騒がせしました」


「お母さん、私が悪かったの。私が勝手に、不安になっただけだから・・だから、お父さんには言わないで?」



私はお母さんに、少し目を潤ませながら言った。

お母さんは、小さな息を吐いたあと、少し考えて、微笑んだ。



「・・いいわ。だけど、今回だけよ?次に何かあった時は、ちゃんとお父さんに報告するからね?いいわね?」


「うん・・ありがとう、お母さん」



私は安心して、頬を緩めた。



「守屋くん」



お母さんは優しい笑顔で大和を見た。



「・・はい」



「これからも、真子のことをよろしくお願いします」



そう言ってお母さんは、大和に頭を下げた。



「・・もう不安な気持ちには、絶対にさせません」



大和は、まっすぐお母さんを見て言った。

お母さんは、優しく頷くと、テーブルの前に腰を落とした。



「・・この子ね、小さい時は、すごい泣き虫だったの。だけど、成長するにつれて、一切泣かなくなったわ・・自分を出さなくなったのよ」


「ちょっと、お母さん・・」



大和の前なのに、恥ずかしいこと言わないでよ・・。


私はお母さんを止めようと、手を伸ばした。

だけど、その手は大和に掴まれて、止められてしまった・・。

お母さんはそんな私たちを見て、優しく微笑んだ。



「だけど、守屋くんの前では、すごく素直になれるみたいだから、私は守屋くんに、真子を任せられると思うわ」


「・・・」


「真子が、守屋くんの前で泣くのは、信頼の証だと思うの・・」


「・・・」


「だから、守屋くんが、いつまでもずっと、真子のこと、支えてあげてね?」



お母さん・・。



「・・はい。俺が真子のこと、ずっと支えて、守っていきます」



大和は、さっき掴んだ私の手をぎゅっと握ると、私を見て優しく微笑んでくれた。


大和・・。