風便り〜大切なあなたへ〜






「真子・・」


「もう・・嫌だよっ・・大和っ・・っ・・」



私はぎゅっと大和にしがみついて、子供のように泣きじゃくった。

大和は私の顔を上に向かせると、強引に私に唇を重ねた。



「俺が好きなのは、お前だけだ」


「・・っ・・・」



そう言うと、大和は強く、また私を抱きしめた。

その後、スッと手の力を緩めて、優しく私を包み込んだ。



「真子、ごめん・・全部話す」


「っ・・」


「俺、一ヶ月前から、土曜日だけバイト始めたんだよ」


「・・っ・・バっ・・ト・・?」



「昨日電話したやつは、バイト先のやつだ」


「・・っ・・・」


「勝手に携帯さわられて、勝手にかけやがった」


「・・・っ・・とにっ・・?」



私はゆっくり大和を見上げた。



「ああ」



そう言って大和は優しく微笑んだ。



「だから、あいつとは、なんでもねえよ」


「・・・っ・・」


「あとで履歴見て、すげえ焦った。よりにもよって、お前にかけてんだもんな。あのあと、何回も電話したけど、お前、出ねえし、今日は行けないってメール来るわ、あげく、電源まで切られて、マジで焦った」


「っ・・大和っ・・」



私は俯いて、指輪をぎゅっと握りしめた。



「真子、顔あげろ」



大和にそう言われて、私はまた、目に涙を溜めて、ゆっくり大和を見上げた。



「・・お前にちゃんと、話しとけばよかった・・だから、変な誤解すんなよ・・」



そう言って大和は、すごく悲しそうに微笑んだ。



「・・・っ・・」


「俺が好きなのは、お前だけだ。これからもずっと、それは変わらない。俺にはお前しかいねえんだよ・・前にも言っただろ?お前は、俺の全てだって」


「・・っ・・・」


「お前が安心するなら、俺はどんな言葉でもかけてやる。だから俺を信じてくれ・・・」



私は胸がじんわり温かくなって、それが体中に広がっていくのを感じた。

今度はさっきまでとは違う涙が、頬を伝った。

私は指輪をぎゅっと握り直した。



「っ・・大和っ・・っ・・私の、こと・・好きっ?」


「ああ、大好きだ」


「・・っ・・私だ、けっ・・?」


「お前だけだよ」


「っ・・私、のっ・・こと・・愛し、てるっ・・?」


「すげえ、愛してる」


「・・っ・・私、だけっ・・?」


「当たり前だろ?お前だけだ・・」



そう言って大和は優しく微笑むと、私の顔を手で包み込んで、そっと触れるだけの、優しいキスを落とした。

ぎゅっと閉じた、私の目からは、また涙が溢れてきた。