風便り〜大切なあなたへ〜






「真子?どうしたの?」



お母さんが部屋のドアをノックして、ドアを開けて入ってきた。

私はお母さんに顔を見られないように、背中を向けた。



「今日は、守屋くんとデートじゃなかったの?早く起きないと、遅刻するわよ?」


「・・・行かない」


「え?」


「こんなんじゃ、行けない・・」



そう言って私は、ゆっくりお母さんの方に顔を向けた。

お母さんはびっくりした顔で、私の顔に触れた。



「どうしたの、これ!?」


「頭も痛い・・」


「まあ!病院行く?」



そう言ってお母さんは、心配そうに私の顔を覗き込んだ。

私は首を、小さく横に振った。



「とりあえず、目を冷やしましょ?ね?」


「うん・・」



そう言うとお母さんは部屋を出て行った。

大和には、メールを送ったから、今日は来ないはず・・。

こんな顔、見られたくないし、どんな顔して会えばいいのかわからない・・。

疑ってるわけじゃないけど、大和の携帯に、知らない女の人が出たことは、すごくショックだった・・。

何かが音を立てて崩れていくような感じがした・・。

目の前が、真っ暗になった・・。

もう私、立ち直れないよ・・。


そう思ったら、また涙が溢れてきた。


昨日あんなに泣いたのに、どうしてまだ溢れてくるの・・?

どうして私の涙は、枯れてくれないの・・?

大和に会いたい・・。

会って、抱きしめてもらいたい・・。

でも、大和に会うのが、怖いよ・・。


昨日の夜までは、あんなに幸せだったのに・・。

たったあれだけのことで、こんなにも心が苦しくなるなんて・・。

私もう嫌だよ・・。

大和・・。



「あ、ちょっと!」



下からお母さんの声が聞こえてきた。

それと同時に、階段を駆け上がる音が聞こえてくる。


また、結依と祐太が何かしたのかな・・。


私は布団に潜って、指輪をぎゅっと握りしめた。


大和・・。

私、大和を信じてもいいんだよね・・?

そうじゃないと、あの誕生日はなんだったの・・?

真剣に私のこと、考えくれてたよね・・?

・・・だけど、もし・・もし、大和が違う人を好きになっても、私はずっと、大和が大好きだよ・・。

ずっと、大和を愛しているよ・・。